安土城で夏の終わりを感じた
9月の話。
前のバイトを辞めて今の会社に入社するまで1週間ぐらい休みがあったので、旅に出ていました。
そんな中で印象的だったのが、安土城に行ったときのこと。
前日の夜は京都の漫画喫茶で夜を越したんですが、僕は自分の部屋で一人じゃないと寝つきが悪いという、およそ旅に向いていない体質なんですが、案の定、一睡もできずに店を出ました。
京都から琵琶湖線で40分ほどで安土駅に着きました。駅から30分ぐらい歩いて安土城に向かいます。
人もまばらで、駅を離れると視界いっぱいに田んぼが広がります。信長はここで天下統一の夢を抱いたんだと思うと興奮します。
しばらく歩くと安土城が近づいてきました。ちなみに安土城は山城なので、山がまるごと城です。
安土城に着いたらまず料金を払います。確か700円だったと思います。さっそく登ります。料金所を過ぎると長い石段があります。ここがかつて大手道だったそうです。
とてもノスタルジーを感じます。
山頂に着くと、天守閣の跡地があります。
安土山は標高が高くないので、30分ぐらいで頂上まで行けます。山頂からは琵琶湖が見えます。当時は安土山のふもと近くまで琵琶湖だったらしいです。
途中、羽柴秀吉や前田利家などの屋敷跡がありました。正直、疲労と興奮であんまり覚えていません。
ここで天下統一を夢見た信長も、数年後に本能寺の変で野望が途絶えてしまいました。
僕が山頂で岩に座って休んでいたら、隣に老夫婦が来て弁当を食べ始めました。それを見て「夢の跡には何も残らない」という虚しさと夏の終わりを感じ、乾いた風が僕たちの間を抜けていきました。