何もない世界

日々感じたことを書いています。

「滅亡から読み解く日本史」読みました。

 

例えば歴史小説とか読んでいると、誰々は切腹したとか、何十人処刑されたとか、斬首されたとかよく出てきます。「切腹」とか「処刑」とか、文字だと一言で片づけられてしまう。とても淡々としている。当事者からしたら、たまったものではないかもしれない。そこに在ったドラマも、苦しみも、死も。たった一言の文字で片づけられてしまう。でもそれは文字でしか残すことが出来ない。

そして切腹とか処刑のさらに上をいく「滅亡」という言葉。

「○○氏滅亡」とか教科書とかでよく見かけても、ふーん。て感じでスルーしてましたが、改めて考えると「滅亡」ってすごい言葉だなと思います。絶対に一言では片づけられない。でも決して一族全員が抹殺されるわけではなく、歴史の表舞台から姿を消すことを言いますが、そこには、裏切り、陰謀、複雑な人間ドラマがあったと思います。

本著は、古くは「大化の改新」で知られる蘇我氏から、戦国時代の終わりを告げた豊臣氏の滅亡まで、栄華を極めた様々な一族がなぜ滅んだのかを解説しています。

滅亡の裏に隠れていたドラマや、今まで知らなかった一族も出てきました。

当事者たちは一族の興亡が懸かっていて死に物狂いで戦ったとしても、滅亡して時が経ってしまえば、人々は勇気を称え、または憐み、滅亡は美化されて、やっぱり教科書に載ってるような淡々とした「滅亡」に落ち着くのかなと思いました。f:id:s5im24is7:20180304141220j:plain